ヒトとペットと野生動物が共存できる社会をつくる人たちのお話  絵本『島ネコマイケルの大引っ越し』誕生

小笠原の父島、母島から1000キロメートルの太平洋を越えて、40頭のネコたちが、東京の動物病院へ引っ越して来ました。このネコたちは、元は人に飼われていたのでしょうけれど、島では、森の中で、野生動物を食べて生き延びていました。

小笠原には、世界でここにしかいない希少動物たちが生きています。飼い主のいないネコは、外来生物として、この小笠原の希少野生動物の生存を脅かしていました。
小笠原の野生を守るために、さまざまな立場の人たちが、このネコたちを捕獲することにしました。しかし、捕獲したネコをどう処分するのか、外来動物であるネコの排除にとって最大の障壁にぶつかりました。

海外では、希少野生動物保護のために外来動物であるネコを、射殺や毒餌で殺してその地域からなくすことが行なわれました。しかし、小笠原の人たちは、ネコを殺さずに、野生動物の暮らす地域からなくす方法を探しました。

飼い主がいない、この猛々しいネコたちを、引き取って、人と暮らせるネコに教育して、新しい飼い主さんの家族にしてもらおうと社団法人東京都獣医師会の会員病院が、小笠原のネコの引き取りに手を挙げました。

2005年小笠原からネコたちの大引っ越しが始まりました。
今、約40頭の島ネコたちが、動物病院で人と暮らす生き物としての暮らしをよみがえらせ、新しい家族との出会いを待っています。
このネコたちの引っ越しの模様を1冊の絵本にしました。

環境省が編集、発行した『島ネコマイケルの大引っ越し』です。NPO法人どうぶつたちの病院は、東京都獣医師会会員動物病院へのアンケート調査や、小笠原への取材などを重ね、この『島ネコマイケルの大引っ越し』に編集協力しました。

お問い合わせは、環境省小笠原自然保護官事務所へお願いいたします。
環境省関東地方事務所HP↓
http://kanto.env.go.jp/to_2008/0423a.html